Planner Blog

2018/12/10
natsu

生まれてウェディングと共に生きて 25

愛する場所に帰れると思った。

目標の場所が目前だと思っていた。

そんな甘いわたしの目の前に現れたのは

『恵比寿ガーデンルーム』

 

真四角の箱。

天井は5.6メートル

窓のないフローリングの空間。

通常イベントで大人気のイベントスペースだから

ウェディングの稼働は少なかったけど

わたしが担当につく

2年前まで大人気の会場だった。

ウェディングの需要がガタ落ちして

建て直ししようという段階。

 

イベントホールは

ゴトウフローリストウェディング出身のわたしには

見慣れた場所だった。

でもなにか違う。

 

ゴトウフローリストウェディングは

1階が花屋

その延長線上にある3階のイベントホール

そこに広がる花の空間。

物語が続いている。

 

ここはその物語がない。

 

恵比寿ガーデンルームは息をしていなかった。

時が止まっていて

誰かの温度を感じない。

 

この場所の建て直しには時間がかかりそうだ。

わたしの夢の目標の場に辿り着くまでは

そう安易なものではなく

そんなに甘いものではない。

 

また1からはじまる毎日。

まずは物語を作らなくちゃ。

ここでウェディングをあげる意味を。

 

わたしは物語を書いた。

それをウェディングコンセプトにして

ガーデンルームの担当者にプレゼン。

 

担当の方は金髪でオーバーオール着てる

イベントも担当しているお兄さん。

 

すごく怖い顔して

目もそんな合わせないし

聞く耳もたない感じ。

またすぐ辞めるでしょ。

担当者もすぐ変わるしさ

 

そんな対応。

 

ちくしょう。

 

ちょっと読んでくれませんか?

コンセプトを書いてみました。

 

ふたりで会議室に行って

このウェディングの物語を伝えてみた。

 

そのお兄さん

一瞬で表情が変わった。

なんていう名前?

 

杉原奈津美です。

 

ふーん ちょっと松嶋菜々子みたいだね

(そんなことは決してない)

 

じゃぁ ななこだな。

 

わたしはこの場所でなぜか

ななこと呼ばれるようになり

 

溝の口とは反対側にあるような

ド根性ウェディングが始まった。

 

ここでウェディングを作り上げるには

総勢40名。

 

普段イベントをしている人たちと

共に作り上げるウェディング。

 

それはもう

ウェディングを分かってもらうことに

どっぷり時間がかかり

なかなか伝わらない強敵たち。

 

担当のお兄さんは

いつしかわたしの人生のあんちゃんになり

わたしに色々なことを

これからも教えてもらうことになる。

 

もちろん現在もあんちゃんは

わたしの人生にずっと居る人。

17年経ってもいまでも ななこ って

呼ばれてる^^

 

この場所のウェディングで これから学ぶことは

わたしのウェディング人生において

大きな意味を持っていた。

 

だってここに何もないから

だってここに誰もいないから

全部自分で用意する。

 

そんなに大変で

そんなに楽しいことってない。

 

だから今

どんな場所も怖くない。

余計なものは少ないほうがいい。

 

***********

 

今でもこのガーデンルームは

1年に2回くらいウェディングをさせてもらっています。

会場が出来上がるまでの真剣勝負。

出来上がった瞬間のあの気持ち。

朝からの大きすぎる緊張感。

会場が出来上がらない夢で

起きる朝もあります。(これ ついこの間ね^^)

 

これからこの箱で

色々な思い出が生まれてゆきます。

この時のわたしには予想できなかったことが

 

きっとすべて

約束されていたのだと思います。

 

Natsu.