ご飯を食べれるようになったものの
そのダメージを受けて
まだまだ標準にはほど遠い体重と
薄いかわいそうな髪とで
学校に行く。
甲状腺の定期健診は
痩せた身体で血が取れない。
それでなくても血管が細いのに
全然血が取れなくて
何度も針を刺される。
ごめんね、って看護婦さんは言うけど
ごめんね、ってわたしも思う。
もうすぐ修学旅行。
誰かと一泊なんて出来るのだろうか
この痩せた身体を見せる恐怖
髪が抜ける恐怖
楽しめるのだろうか。
苦渋の決断の末に出した答えは
行こう。
母は楽しみになるようにかわいい洋服を
一緒に買いに行ってくれた。
その時に一緒に居てくれた5人組には
本当に感謝していて
そのみんなが居るならいいかな
裸にもなれる。
勇気を出していった時間はとても楽しくて
誰かとどこかへ出かけて泊まるなんて
わたしには夢みたいな行為だった。
ご飯もいっぱい食べて
お風呂に入る前に
『わたしの痩せてる身体 気にしないでね』
そんなことを伝えたな。
友達は “なんだそんなこと”
そんな感じであしらってくれた。
みんなにとっては当たり前のこと
わたしにとっては特別なこと
そんな連続の高校2年生は
だんだん強くなっていった。
髪は抜けたら生えてくる
すごくシンプルな考え方も持てた。
もうひとつどうしたって解決しないのは
生理がずっと来ないこと。
高校2年からぴたっと止まった。
こんな体では生理を起こすなんて
そんなパワーはどこにも無かったろう。
甲状腺の検診は定期的
その中で先生はタイミングを待って
『婦人科の先生を紹介しましょう』
この言葉をくれた。
わたしはやっとその段階に来たんだなと
母と少し喜んだのを覚えている。
やっと女の子に戻れるかなぁ
そんなことを思う。
これはこの先10年解決しなかったけど。
こんなわたしは
恋をすることが
遠くにある未来みたいなものだった。
そんな高校2年生。
相変わらず成績はクラスで1番
学年2番をキープし
テストはほぼ90点以上。100点も取る。
今わたしにこの才能が欲しい。
・
今日も読んでくれてありがとうございます。
それでもわたしはルーズソックスを履き
ラルフのセーターを着て
リーガルのローファーを履いていました。
かわいくありたい。
少しでも女の子でありたかったのでしょう。
今回でこのブログも10話まで来ました。
ウェディングの道はここからも
つながってつながって
今これだけの愛情を注げるのは
この原点があるからこそ^^
Natsu.