成長期に
16キロの体重の増加と24キロの体重の減少を
一気に体験した代償は大きかった。
ご飯がすっかり食べれるようになったわたしの
変化はあっという間に訪れ
ご飯の時間が楽しみで仕方なくなる。
この前まで拒食症だったことが嘘のように。
こんな細い子がご飯を食べてる図は
不思議でならなかったと思う。
毎日体重計に乗り、少しずつ体重が増えてゆく
恐怖でならない現実だけど受け入れる。
受け入れることが出来たのだ。
見た目はまだまだ痛々しい。
そういえば未だ
ある日の事が忘れられない。
自転車に乗りカレー屋のバイトに行く途中
通りかかりのカップルの会話が聞こえた。
『あれ、男?女?』
衝撃的なひと言はきっと一生忘れられないけど
これもわたしの大事なものにきちんと繋がっている。
ご飯を食べることがクリアになったわたしに
訪れた悪夢は
髪の毛のこと。
ある日突然髪の毛が抜け始めた。
シャンプーをしていたら だいぶ抜ける。
わたしはショートカットだったし
もともと髪が少なくて柔らかいから
少しその現象が起きただけでも
人よりも目立つ。
本当に怖かった。
勉強してても何をしてても髪の毛が気になる。
母を何度も呼んだ。
髪の毛無くなっちゃう。
母はある日お風呂場にわたしを呼び
お母さんだって髪を洗うとこんなに抜けるのよって
見せてくれた。きっと
わざと抜いてくれたものを混ざってた。
一緒に痩せちゃって 髪も抜いてもらって
お母さんごめんね。
次々に襲い掛かることにしょいきれなくなってきた。
アデランス連れてってお願いをした。
17歳のわたしは おしゃれに無縁で
やせ細った身体と薄い髪と。
そして人間は身体が弱るとそれを守ろうと
身体に毛をはやすのだ。きっと優しいことなんだけど
急に背中に毛が生えてきて
わたしは女の子であることを忘れた。
どんなに痩せても勉強もしたくて
絶対に学校を休まなかった。一日も休まなかった。
そこは本当に強かった。
ただこの現象が起きた時は
授業中 教室を抜け出そうという衝動が押し寄せて
今か今かと闘って。
そんな事が始まり 母に初めて言った。
学校休もうかな。
でもそれはNGだった。それは負ける。今までの全部に負ける。
わたしは今は当時の写真は捨ててしまったから
記録には無いけど
本当にあの姿でよく学校に行っていたなと思う。
強かったなと思う。
・
暗い話でごめんなさい^^
でもこの話は暗くも可愛そうでもなんでもないの。
すべては今に繋がっていて
わたしがずっとロングヘアなのは
ここに理由があるのです。
17歳のわたしは
とにかく女の子にあこがれていたから。
今は夢が叶ったのです^^
だから花嫁さんが尊くてかわいくて
愛しくてならないのです。
Natsu.